前回、「時間を武器に900万円の高値成約を勝ち取った事例」をご紹介しました。しかし、あの戦略は「売れなければ営業を続ける」という余力があるからこそ成立するものです。
現場では、この「待ち」の判断を誤り、結果として手元に残る現金を大きく減らしてしまう「判断の甘い経営者」が少なくありません。
「200万円以下なら絶対に売らない」
その意地を貫いた結果、3か月後に200万円で売れた。表面上は希望通りですが、アナライザー(分析者)の視点で見れば、これは明らかな失敗であるケースが多々あります。
不動産実務15年、かつ元上場ノンバンク支店長として「資産の回収」を追求してきた私から、高値成約という呪縛が招く「見えない損失」の正体を暴きます。
実録:希望価格を貫いた代償。失ったのは「10万円」だけではない
以前、200万円での売却に固執した売主様がいました。募集開始直後に150万円の買付が入りましたが、「安すぎる」と拒否。3か月後、ようやく200万円で成約しました。
しかし、この店舗は月20万円の赤字。3か月で計60万円の維持コストが発生しており、実効価格(実質的な売却額)は140万円です。150万円で即決していた方が10万円得だった……という計算になります。
ですが、本当の損失はここからです。この経営者が「3か月間、店に縛られ続けたこと」による機会損失を計算に入れたことがありますか?
あなたの「3か月間」には、いくらの価値があったのか
判断の甘い経営者は、目に見える売却価格(額面)ばかりを気にします。しかし、賢い経営者は以下の図にあるような「逃した利益」を計算します。
- 労働力の損失(給与収入):赤字店を回すために費やした膨大な時間。もし3か月早く辞めて再就職していれば、その期間の「給与収入」がそのままプラスになっていたはずです。仮に月30万円で働けば、90万円の機会損失です。
- 公的支援の活用:廃業して再就職を目指す場合、条件が合えば「職業訓練受講給付金(月10万円)」などの支援を受けられるケースもあります。これらを早期に受け取り始めるメリットも無視できません。
- 精神的コストと余暇:いつ売れるかわからない不安から解放され、余暇を楽しみ、次の事業への英気を養う時間の価値は、10万円や20万円では収まりません。
元ノンバンク支店長が断言。最速の撤退こそが「最大の利益」を生む
私がノンバンク時代、多くの債務超過者を見てきて痛感したのは、「引き際を間違える人ほど、お金の現在価値を理解していない」ということです。
3か月後の200万円より、今日の150万円の方が価値が高い場合があります。その150万円を手に、翌日から新しい仕事で稼ぎ始めれば、3か月後には手元資金は150万円を大きく上回ります。一方、意地を張って店に残った人は、3か月後にようやく200万円を手にするだけです。
この差は歴然です。高値成約を狙う戦略には、必ず以下の3軸が必要です。
- 【清掃】:投資(清掃)で価値を作り、買い手の即決を促す。
- 【待機】:価値を理解する買い手を待つ。ただし、赤字額が許容できる範囲に限る。
- 【決断】:維持コストと機会損失を計算し、実効価格が下がる前に「損切り」する。
「店への執着」を「未来への投資」に切り替える
店への思い入れを価格に乗せたい気持ちは痛いほどわかります。しかし、その執着があなたの未来の収入や自由な時間を奪っているとしたら、それはもう経営判断ではありません。
「今売るのが得か、待つのが得か」。 この判断に迷ったら、我々のような実務家を頼ってください。感情を抜きにした、最も「手残りと未来の可能性」を最大化する出口戦略を、数字でご提示いたします。
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この記事の監修・執筆
(株)FIJ 営業本部長 / 岩井 義浩
不動産サブリース実務15年、元上場ノンバンク支店長(金融歴5年)。
「感情論ではなく、数字と法律でオーナーを守る」が信条のアナライザー。
年間200件以上の店舗査定と撤退相談を行い、現場経験に基づいた適正な出口戦略を提案している。
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